独女のスキルス胃がん日記♪

体の状況などをお伝えします。
あと日常の色々♪

手術の話その②

そして目が覚めた。まだ手術室らしい。人々が機械やら片付けやら色々動いてた。
看護師が「○○さーん大丈夫ですか?」私「はい」と言うが喉が変。のどが痛すぎて咳が出る。そしてなんだか涙が止まらない。なんだこれ勝手に出てくる。
穴という穴から色んなもんが出てるのか?尻からは大丈夫だろうか?
などと余計な心配をしていたら、看護師さんが「手術終わったからね。今お昼の12時だからね」と・・・。


なるほど、予定15時までなのに、だいぶ早い12時ということは手術出来なかったんだな。と思った。


この時点で私の中では、癌は胃の中で留まってて、胃を切除→癌バイバイ
の方向だろうと勝手に思い込んでたので驚きました。
ベッドに寝たまま運ばれて、エレベーターの中で主治医の先生がなんか言ってたけど忘れた。覚えていない。


そのままナースステーション横のリカバリールームとやらに運ばれ、しばらくしぼーっとしてたら父が来た。


なんかがっくりしてる。「大丈夫か?」と声をかけられるが、私はがっくりと背を丸め元気のない父のほうが心配だった。私「大丈夫、喉が痛いだけだよ」


父「毎日神社で祈ってたんだ。死んだお母さんにも毎日お願いしたんだ。でももう神社は行かない。仏壇も捨てるよ。」と言い出した。


父は先生から術後説明を受け、すべてを聞いてきたらしい。


私は仏壇は捨てないでと言ったら
父「手術できないくらいひどいって。全部言わない方がいいかな・・。」
と迷ってるので「言って言って平気。」と促した。


ため息をつき言いづらそうに
父「体中癌だらけだって。転移もしてるしもう長くは生きられないんだよ」とはっきり言ってくれた。


やっぱりそうなのか。そっちだったかと納得した私は「仕方ないよ。でもこの世界で生きていくことが全てじゃないと思うから、私は平気だから。」となんだか宗教っぽいことを言ってしまった。父は「何言ってんだよ」と顔を背けた。


そしてしばらくしてから父はまた来るからと去りました。その悲しそうな背中は見れなかった。


そうか、父は自分の父母、そして妻、さらに娘の死を看取るのか・・
と思うと私は涙が止まらなくなりました。
残される方がよっぽど嫌だよ。父はなんて試練が多いんだ。
私は残りの日々を精一杯親孝行しようと思いました。


幸いぼっちですから(笑)自由だし、自分に子供とかいなくてほんとによかった。
ピッピ(犬)はいるけどね(今は実家)


私の母は36歳くらいで亡くなりました。
早くに亡くなる事って本人も辛いだろうが、残される方もそれはもう苦しい、悲しい出来事です。元通りの日々を過ごせるようになるまではそりゃあもう時間もかかります。


でもいつまでも悲しんでいても成長もない。何事もつらくても乗り越えないと。
それが生きるってことだと思う。
この母の死があったから色々学び、私はこっちの面だけメンタルが強いと思います。母のおかげで強くなったんです。死ぬのも受け入れてます。
むしろ生きてる世界で、残される人、長く生きることの方が試練というか大変なことだと思う今日この頃。


病気ならもう受け入れちゃった方が楽ちん。「なんで私がこんな目に合うの」とか、「私悪いことしてないのに」とか言い出したら周りが大変。めんどくさい。(そうゆう人いたらごめんなさい)それより今を有意義に過ごした方が楽しいはず。


長くなってしまいましたが今回はこの辺で。